超ISO企業研究会

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  18.付帯サービスのポイント
発展表  付帯サービスへ
94年版と異なり2000年版では、付帯サービスは特に項目を設けて規定されていませんが、規格の意図するように、顧客満足を確保し向上させるためには、組織として欠かせない重要な活動です。付帯サービスとは一般に次のようなことをさしますが、その一部は( )内に示すように、規格のほかの項目と密接に関連しています。


【1】 製品に関する保証条件の明示、正常な稼動の保証(7.1項:製品実現の計画)
【2】 製品にトラブルがあった場合の迅速な機能回復(8.3項:不適合製品の管理)
【3】 必要な補修部品などの提供(7.1項:製品実現の計画)
【4】 サービスに関連する要員の確保と訓練6.2.2:力量、認識および教育訓練)
【5】 苦情,クレームなどへの適切な対応、是正(8.3項:不適合製品の管理)
【6】 市場品質情報の収集と解析、対応(8.4項:データの分析)


このような付帯サービスを実施する上でのポイントは次のとおりです


(1) 基本事項
付帯サービスの実施に関して考慮すべき基本事項は次の三つのステップであり、PDCAのサイクルを構成しています。

[1] 付帯サービス活動の内容の明確化と重み付け
[2] その実施手順の設定、重要な手順の文書化または教育訓練と付帯サービスの実行
[3] 実施結果のフォローと改善、特に顧客満足の把握と向上

これらのために、次のことを行います。


(2) 付帯サービスの内容の明確化
付帯サービスを、それを実行する段階により、ビフォアサービス、アフタサービスとに分けます。 ビフォアサービスでは顧客に対し製品の提供前の選択、据付けなどに対する支援、 アフタサービスでは提供後の製品が有効に使用されるための支援を行います。

それぞれに対しどのような活動を行うか明確にし、手順を決めます。 そして実行に必要な要員を決め、必要に応じて教育訓練します。


(3) ビフォアサービス
1) 製品の説明:
顧客がその使用目的にあった製品,サービスを選択できるように、情報を提供します。例えば,カタログ、取り扱い説明書などを整備し、販売員などを教育することです。これにより顧客に適切に製品が説明されるようにします。
このことは、製造物責任問題を予防するためにも重要なことです。
2) 製品の据付け・点検:
製品が適切に機能するために、どのように据付けられ点検整備などが必要か明確にし、それらに関する情報を据付け・取り扱いマニュアル等の形で顧客に提供し、適切に説明されるようにします。
3) 要員の訓練:
必要に応じて、これらの情報を顧客に直接説明する要員の教育訓練を行います。


(4) アフターサービス
1) 技術支援:
必要に応じて、保証した製品の機能が確実に発揮できるよう、顧客への情報の提供、技術者による支援を行います。
2) 保守・保全:
顧客が使用中のトラブルを最小限度にすべく、保守マニュアルの提供、 必要に応じて保守員の派遣、巡回サービスなどを行います。このための保守要員の確保と教育訓練も行います。必要に応じて,補給部品類を定めて、スピードを持った体制を維持します。
3) クレームに対する対応:
付帯サービスに関する情報の収集と活用は、8.3,8.4項によりますが、付帯サービス活動で得られた情報を社内の適切な部門に伝達する仕組みを構築することが大切です。

付帯サービス活動は、組織が顧客と直接接触すできる場であり、顧客の組織や製品に対する受け止め方を直接知ることができます。すなわち付帯サービスは顧客満足を把握し改善の機会を探るための重要な情報を積極的に収集・蓄積する活動でもあるのです。