超ISO企業研究会

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Home *TQM9000発展への解説ポイント
  24.プロセスの監視・測定のポイント
発展表  プロセスの監視及び測定へ


JIS Q 9001:2000年版の「プロセスの監視・測定」に関する要求事項は、

【1】 「QMSのプロセス」を「適切な方法」で「監視する」、適用可能な場合は
「測定する」
【2】 プロセスが「計画した通りの結果」を出せることを「実証する方法」であること
【3】 計画した結果が達成できない場合は、「修正及び是正処置」を適宜講じること


TQMへの発展を考える場合、ファーストステップとして大切にすべきことは

【1】 計画段階で「ねらい」を具体的に定める
【2】 同様に、「ねらい」の達成度合いをどのように監視、測定するかを定める
【3】 「ねらい」には製品品質に関することだけでなく、「コストや効率」、「納期」に関することを含める
【4】 これらのことがQC工程図のようなツールを使って体系化されている
【5】 ねらった結果とプロセスの関係を特性要因図のようなツールを使って、改善する

ということがあげられます。


(1) プロセス設計を行い、目標レベルや評価基準を設定する
たとえば、業務用のハンバーグを提供している場合、ハンバーグの大きさや焼き具合、色合い、などは製品設計で決定します。一方、そのハンバーグをどのように作るか、どうやって焼くか、を検討し決定することはプロセス設計に当たります。成形されたハンバーグをオーブンで焼くようなケースでは、オーブンの温度設定や、一度に焼く個数、焼く時間、等々の設定を決定します。

TQM9000へのファーストステップとしては、このプロセス設計を行うときに、製品品質(たとえば、うまく焼けた状態や不良品の発生など)だけでなく、1時間あたりいくつ焼ければいいのか(効率や納期に関する指標)などを決定しておきます。
同時に、プロセスを監視、測定する項目として温度、時間、個数の基準値と、監視のタイミングや具体的な方法等を設定します。

QC工程図のようなツールに上記の内容を記述して、整理していくと管理の対象や方法が明確にできます。


(2) プロセスの監視、測定の結果を分析し、プロセスの改善を実施する
プロセスの監視、測定で得られた情報と製品の監視、測定で得られた情報を組み合わせて見つめてみることが、分析に当たります。上記の例では、オーブンの温度設定(プロセス)とハンバーグの焼け具合(製品)、あるいはその合否の程度は製品品質に関する「ねらい」を達成できているか、という視点でとらえることができます。

さらに、TQMへの発展では、たとえば、オーブンの温度設定と時間あたりの製品数量の関係に着目してみると、「温度を10度あげれば、加熱時間を5%削減できる」といった、コスト、効率、納期に関連する分析を行い、設定を変化させていくようなダイナミックな活動に結びつけていきます。