超ISO企業研究会

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Home *TQM9000発展への解説ポイント
  8.人的資源提供(教育・訓練)のポイント
発展表  人的資源へ


人材育成マネジメントシステム(以下の教育訓練プロセスとする)を構築することになります。ISO9001:2000では、以下の事項が要求されています。


(1) 規格要求事項
a) 製品品質に影響がある仕事に従事する要員に必要な力量の明確化。
b) 力量がもてるような教育・訓練又はその他の処置
c) 教育・訓練、その他の処置の有効性評価
d) 「自らの活動の持つ意味と重要性」、「品質目標達成への自らの貢献」の認識
e) 教育、訓練、技能、経験の記録の維持


この要求事項に対応するためには、以下の手順が構築されています。


a) 要員に必要な力量は、付図 8-1 業務スキル表などで明確にします。
付図8-1 業務スキル表


b) 要員がどのような力量を有しているかを、付図 8-2 個人スキル表などで明確にします。
付図8-2 個人スキル表


c) このギャップ分析から、年度の教育・訓練計画書を策定します。


d) 年度の教育・訓練計画書に従って、教育・訓練を実施し、記録を管理する。
付図8-3 教育訓練歴


e) 教育・訓練の有効性を評価する。


f) 「自らの活動の持つ意味と重要性」、「品質目標達成への自らの貢献」の認識については、既存職員の定期的再教育、新規採用者に対する導入教育、年度はじめの方針・目標の周知、内部コミュニケーションでの徹底、方針カードの配布及び各要員による目標設定などで行われます。この活動は、品質マネジメントの8原則の「人々の参画」に対して重要なファクターとなります。


(2) PDCAサイクル
教育訓練プロセスを更に効果的にするためには、教育訓練プロセスにPDCAサイクルを導入します。
 
a) 業務スキル表は、戦略的・運営上の計画と目標とに関連した将来の需要と連動し、部門が対象とする以下の情報を考慮し、常に見直す。更に、Q(品質)だけでなく、C(コスト)、D(量、納期)に関する力量についても明確にします。
  • 固有技術(顧客ニーズと期待、市場動向、競合状況、新技術動向など)
  • 管理技術(リーダシップ、プロジェクト管理、ツール、問題解決法、コミュニケーション技法など)
  • 資格(国家資格、社内資格、民間資格など)
     
b) 個人スキル表は、イントラネットで構築したスキル管理システムで、教育・訓練歴、技能歴(国家資格、社内資格、民間資格など)、経験歴などを管理・維持します。
 
c) 教育・訓練計画は、前年度の教育・訓練の有効性評価からの反省を踏まえ、管理者・要員の継続的ニーズを考慮して作成します。更に、OJTで何を教育すべきかが部門内で検討され、計画的にOJTが実施されていることが望ましいでしょう。
 
d) 教育・訓練計画を実施します。
 
e) 教育・訓練又は他の処置の有効性の評価。
  • 従業員の能力・業績評価システムの導入。要員のスキル計画


(3) ファーストステップとしての教育
TQM9000のファーストステップとしては、以下の教育を行うことが推奨されます。
  • 統計的手法(QC七つ道具)
  • QC的問題解決手法
  • 方針展開