超ISO企業研究会

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TQM9000とは
* ISO 9000は取ったけれど…
 
「ISO 9000を取得するためにあれほど一所懸命やったのに不良率が思ったほど低減していないし、クレームもなかなか減少しない。」
「サーベイランスやその前に行う内部監査では不適合もほとんどなく、事前準備や対応に時間がとられ、惰性で進めている。」
「せっかく審査登録したISO 9000をもっと活用して体質改善につなげたいのだがどうすればよいのだろうか。」

これらの疑問・要望に応えようとするのが「TQM 9000」です。

ISO 9000の2000年改訂以降、1994年版よりも品質マネジメントシステムの範囲もレベルも広がりました。

 

* TQM 9000-ISO 9000からTQMへの発展モデル
 
ポストISO 9000にあるもの、それはTQMです。しかしながら、TQMの広さと深さを見ると、どこから手を付けてよいもの途方に暮れてしまいます。ISO 9000をベースとして、TQMへと進化していく具体的なガイドラインが必要です。

このガイドラインが「TQM 9000」です。

ISO 9000からTQMへの発展モデル、それが「TQM 9000四段階モデル」です。このモデルでは、品質マネジメントのねらいや方法の成熟度として、以下の4つのレベルを設けています。
 

<レベル1> ISO 9001品質マネジメントシステム

  • 製品・サービスの品質の確保
  • 品質=ISO顧客満足(顧客要求事項への合致に対する顧客の受けとめ方)
  • ISO品質保証+顧客満足の能力の証明
<レベル2> TQMへのファースト・ステップ
  • 製品・サービスのQCD(品質、原価、量・納期)の維持と改善
  • 品質=TQM顧客満足(お客様に喜んでいただける製品の提供)
  • QCDの維持・改善の方法の工夫
  • QMSの効率的運営への取り組み
  • TQMへの基盤構築
<レベル3> TQM品質保証
  • 製品・サービスのQCDの維持と改善
  • 品質=TQM顧客満足(お客様に喜んでいただける製品の提供)
  • プロセスの上流・源流での活動の重視
  • 目的志向の行動様式。結果の深い分析と幅広い改善
  • QMSの効率向上
<レベル4> TQM(総合質経営)
  • 製品・サービスの質向上+企業・組織(経営システム)の質向上
  • 顧客満足+ステークホルダー(利害関係者)満足
  • 組織能力(技術力、対応力、活力)の向上
  • 尊敬される存在(存在感のある立派な企業)の実現

図ISO 9000からTQMへの発展モデル



図ISO 9000からの進化の考え方

 

* ISO 9001:2000からTQMへの発展表
 
このWebページでは、上記4つのレベルのうち、ISO 9001から発展する際にキーとなるレベル2を説明します。名付けて「TQMへのファースト・ステップ」です。以下の内容が含まれています。
 
(1) TQM 9000への発展表
ISO 9001:2000とレベル2(TQMへのファースト・ステップ)の対照表
(2) TQM 9000への発展のポイント解説
発展表中に示されたガイドラインに従ってシステム構築をするための31のポイントを解説
(3) 問題・課題タイプ別TQMへのファースト・ステップ
ISO 9001取得事業所が抱える典型的な7つの問題・課題別に、TQMへのファースト・ステップとしての取り組みの指針
(4) 目指す企業タイプ別TQMへのファースト・ステップ
目指す企業のタイプとして、開発力重視型、生産力重視型、販売・サービス力重視型の3つを取り上げ、各々に応じたTQMへのファースト・ステップとしての取り組みの指針
2008年に追補改正版が発行されましたが、実質的には2000年版と同一であり、要求事項に追加も変更もなく、適用において実質的な変化はないとみなされています。したがって、このホームページに記載のISO 9001:2000は、ISO 9001:2008と読み替えてご利用ください。
* ファースト・ステップ
 
「この一歩は、小さな一歩に見えるが、わが社の持続的発展のためのためには大きな一歩である。」人類初の月への一歩を記したアームストロング大佐の言を思い出します。究極のTQM組織への道は決して平坦でもありませんし、終わりのなり長い道のりになるでしょう。しかし、ISO 9000からTQMへ一歩踏み出すことこそが重要なのではないでしょうか。その意味で、この一歩は輝かしい将来に向けての意義ある大きな一歩と言えるのではないでしょうか。

「TQMへのファースト・ステップ」のレベルは決してやさしいものには見えませんし、TQMの極みへの道のりを考えると、この表現は以下のように修正すべきかもしれません。「この一歩は、大きな一歩に見えるが、わが社のTQM完成への小さな一歩に過ぎない。」

いずれにしても、競争力のある製品・サービスを提供しうる、良い組織・企業になるために、一歩を踏み出しましょう。